小正月(もちい)の郷土料理講習会    七草粥についても勉強  
             

NPO法人山に生きる会は 令和2年1月14日 山村開発センター調理室で講習会を開催
水窪に伝わる小正月のごちそうを 作ってみました。 
                                                                                          
     
   にゅうぎ と 削り花    
 
1月14~16日は 小正月、「モチイ」です。
「小正月」はお正月に対して 女の正月ともいい 正月の帰省客や来客の接待などで疲れた女の人を慰労する意味でのんびりできるときです。

モチイ(小正月)には 正月同様餅をついて 日頃使っている農具や山仕事の道具を縁側などに並べたりして「にゅうぎ」とともに供えて感謝します。
そして道具に休んでもらうため仕事はお休みです。

「にゅうぎ」は ハンジウルシや かしの木などを割りさらに上半分ほど割れ目を入れ「十二月」又は「十三月」などと書き神棚や玄関、お墓などに祀ります。
旧暦は3年に一度 1年が13か月になります。その閏年には「十三月」と書きます。新暦2月29日の閏とは違います。

16日には 新しい仏様のいる親戚の家やお墓を巡り お参りします。つぶら参りといいます。

水窪町西浦地方では(削り花)を小正月に飾ります。
「コメの木」という 真っ白の木を小刀で丁寧に花びらを1枚1枚 削って作った花を 樫の木やツタの木の枝にさした 言わば造花です。

   
 
小正月のご馳走
講師:石本静子さん


〇小豆ご飯      米・・・5合    小豆・・・半カップ
             
             田んぼの少ない土地柄 もち米ではなく 
             うるち米に 小豆を入れ
             おこわ風に炊いた小豆ご飯・あずきめし

             
             ・小豆は柔らかくなり過ぎないように8割位煮て、
              熱いうちに塩をまぶしておく。
             ・小豆を煮た汁を取っておいて米を炊くとき入れる。
             ・米の水が無くなるくらいの時にあずきを入れる。
             ・炊き上がったとき塩加減を調整する。



〇けんちん汁    大根 人参 ごぼう しいたけ こんにゃく 豆腐 ちくわ 
            刻み昆布 だし煮干し 醤油 ごま油 

            ・野菜は大きさをそろえ、拍子木切りにする。
            ・こんにゃくは 熱湯でさっと下ゆでする。
            (下ゆでしたものを用意しました)
            ・干しシイタケ刻み昆布は水に戻し戻し
             汁もだし汁として使う。
            ・豆腐、刻み昆布以外の材料をごま油で炒め、
             油が回ったらだし汁を入れて煮る。
            ・野菜が柔らかくなったら刻み昆布を入れ、
             しばらくしたら醤油で
             味付けをし、豆腐を入れて仕上げる。
            

〇びっこ       イワシのめざし丸干し・お頭付き。

            神様に祀るときは軽く焼いて焦げ目をつける。


〇クルミ和え     こんにゃく(糸こんにゃくでも) 1玉   くるみ 30g
             こんにゃくの味付け:砂糖小さじ1 塩少々 醤油小さじ1
             クルミの味付:砂糖大さじ1 塩少々 冷茶50cc
                 
             ・糸こんにゃくは7~8cmに切り、湯がく。
             ・ざるにあげ水けをきり、鍋に入れ乾煎り(カライリ)する。
              水気がなくなったら砂糖、醤油の順で味付けをする。
              冷まして味をなじませる。
             ・クルミは荒くつぶしたら早めにお茶を入れてから 
              よく擦る。
             (くるみは しっかり擦ってからお茶を入れると 白くならない)     
             ペースト状になったら砂糖、塩の順に入れて
              味付けに合うよう調節する。



〇酢和え(なます)
             大根500g   人参50g      塩小さじ1
             酢50cc     砂糖大さじ1   ゆずの皮(好みで少々)
             絞る   
             ・大根は皮をむき千切りにし、塩をして、
              しんなりしたら優しくもんで
              1時間以上置く。
             ・人参も 別に塩をして、もんで置く。
             ・大根、人参をしっかり絞って味付けをする。
             ・ゆずの皮を薄くむき、
              細く千切りにしたものを混ぜ合わせる。
              酢和えのゆずは皮だけ使う(汁を入れると苦くなる)


            


    
             
    

神様に祀るときは 膳を神様に向ける。
神様から見て左に小豆ご飯、右にけんちん汁、
右向こうにびっこ、真ん中にクルミ和え、左向こう
に、なます。箸を忘れない。
イワシは腹を神様に向ける。


春の七草 七草粥
 春の七草についても お話を伺いました。

正月7日には 七草粥を食べます。
正月おせち料理やお酒で 弱った胃腸を休めるため また冬場で野菜の少ない時期、
薬膳でもある春の七草を使った七草粥を食べ新年の無病息災を願いました。

新年1月6日の夜に まな板の上の七草を包丁でトントンたたいて
細かく柔らかくしておき、
翌日の朝におかゆに入れて七草粥(ななくさがゆ)としていただきます。 
七草をトントンと叩く際に、この『七草の歌』を歌います。
  ♪ゴギョウ、ハコベラ、仏の座、スズナ、スズシロ、セリ、ナズナ
   七草なずな 唐土の鳥が 日本の国に 渡らぬ先に 
   ストトン ストトン ストトントン 
           
  春の七草 
セリ     セリ(芹)は、別名シロネグサ
この名前に「競り勝つ」という意味をかけて、縁起物に。
あえ物やおひたしにしてもいい。

独特の香りが食欲を刺激する。
血液をきれいに保ち、
高血圧や動脈硬化の抑制にも作用。
胃腸の調子を整えるという整腸効果も持っている。

ビタミンA、ビタミンC、カルシウム、リン、カリウムが含まれる 
 ナズナ    ナズナはぺんぺん草
実の形が、三味線のバチに似ている

 高血圧・解熱・便秘・利尿・解熱・止血作用に効果があるといわれている.。
ビタミンKが豊富に含まれる
 ゴギョウ    ゴギョウ(御形)はハハコグサ(母子草)とも呼ばれる。
「仏体」を表す縁起物とされている。

咳止め・痰きり・喉の炎症・利尿・むくみに効果があると
されている。
 ビタミンB群やビタミンC、カルシウム、カリウムに加え、
カロテノイドやフラボノイド、サポニンが含まれる 
非常に栄養素が豊富
 ハコベラ   ハコベ 
目によい。ビタミンAが豊富で、腹痛の薬にもなった。
 ・タンパク質、ビタミンB、Cなどに富む。

 葉を炒った粉に
 塩を混ぜて
 歯磨き粉としても使ったともいう。。

 ホトケノザ     ホトケノザ(仏の座)は、正式名をコオニタビラコ。
名前から縁起物とされている。

健胃・整腸作用、高血圧予防などがあるとされています。

また、シソ科でホトケノザという植物もあるが、これは全くの別もの。
シソ科のホトケノザは食べられません。

 葉の形が仏様の台座のようなので仏の座という。

台座のような葉から花をそっと引き抜き、
根元をちょっと吸うと、甘い蜜が舌の先に付く。
 スズナ    スズナ(菘・鈴菜)の正式名はカブ(蕪)。
便秘・胃潰瘍・胃炎・風邪・骨粗鬆症・がんの予防に良いとされている。
 葉にはビタミンA、B1、B2、C、カルシウム、鉄、食物繊維が豊富に含まれている。
 スズシロ    大根のこと。消化を助け、風邪の予防にもなる。  大根の葉には
ビタミンA
ビタミンC
が含まれ
カルシウムはほうれん草の約5倍も含まれている。
  七草粥 作り方

・カブや大根は細かく刻み 米と一緒にたっぷりの水で炊く。
・他の七草は、葉の様子が残るくらいの大きさに刻む。
・米が柔らかくなったら塩を入れて煮る。
・水気が少なくなってきたら、刻んだ七草を入れ 火を止めてふたをして蒸らす。
(七草を入れて、すぐに火を止めると 緑が鮮やか)
  一口メモ
煮物をしていて焦げ付きそうなとき 捨てる古いフライパンを取って置き 
底に当てると焦げ付きにくい。
 

   
 郷土料理講習会
 
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