令和6年12月8日
講師:石本静子さん
 
 
   
       
栃は水窪の食文化に欠かせない食材です
しかし近年 栃の実を拾い皮をむき
さわして栃餅を搗く家庭はめっきり減り
2軒の製菓店の「栃餅」だけが水窪の
お土産として残っているのが現状であり
大切な水窪の文化の宝が消えていこうと
していることに危機感をいだきます。
皆で勉強して水窪の栃の食文化を次世代に
残していきたいものです。

  
 
       
◎栃の皮むき   
完全に干した栃を容器に入れ熱湯をかけ
一晩置く
手が入るくらいのお湯の中で温めながら
一粒づつ皮をむいていく
 
    
   
   
   
   
 栃の実を回しながら数回押して実と皮をはがす
 柔らかくなった皮を指の腹で剥いていく
 (爪を使うと爪の間に入って痛いから)
 包丁を使っても良い
 
   
   
   
       
◎栃のさわし方    
・皮をむいた栃を晒の袋に入れ
流れる水に1週間から10日さわす。
 実をなめてみて苦みを感じる程度で良い。
・各家で沢にさわし場という場所を持っていた
  
 
       
・1升の栃の実に十能山盛り1杯の灰をかけ、
 良くまぶす。
(灰は杉桧ではなく広葉樹。そばがらもだめ)  
 
       
・上から熱湯を少しづつ回しかけ、栃の実が
ひたひたになるくらいにする。  
 
       
・粗熱が取れたら器ごと大きなビニール袋に入れ
口を閉めて1週間くらい置く
  
 
       
・栃の実を取り出し、きれいに洗って
灰をとり3日くらい水に浸けておく  
 
       
       
◎栃餅のつき方    
・水から上げた栃の実をもち米の上に
乗せて、一緒に蒸す
※実を粉にしても良い
 実だけを別に蒸しても良い
 
 
   
・もち米と一緒につく   
   
・栃餅は塩をつけると苦みが増す
・くるみタレ、小豆餡、きな粉、砂糖、醤油、塩
などで食べて見て 美味しい食べ方を探る
 
   
   
 ◎栃粥の作り方  
 ・米、こきび、大豆、ひえ、粟などと 土鍋で
 ゆっくり炊く
 
   
   
   
 栃をすり鉢でする  
   
   
あわ、ひえ、こきび、こめ等の粥の中へ
栃を入れる 
入れた物が混ざるように一度沸騰させて
から弱火にする
土鍋の下へ古いフライパンを敷くと
粥が焦げ付かない
 
   
   
   
   
水窪は田んぼがないので栃の実は大切な
食料であった
栃山という栃の木を植えた山を持っていて
大切にしていた
マロニエの実は食べられない
競馬馬がねん挫した時栃を皮ごとつぶして
小麦粉と酢を混ぜ患部に貼ったという話を
聞いた

 
 
   
石本さんが60年前植えた栃の木に
ようやく塔が立った(花が咲いた)
でも栃の実の数は少なく 実用には
更に年月を必要とすると話された 
 
   
 水窪の栃の木は近年テーブルなどに
使うため伐採販売されて少なくなった