山 登 り の 教 訓

リュックの中身は、頂上に着いたら食べようと入れておいた好物の行動食。6時間ほど歩いて到着した山頂で、思わぬハプニングが起きた。傍らに置いたリュックが倒れて転がりだし、熊よけの鈴の音がだんだん遠ざかりリュックとともに私の気持ちも谷底に落ちていった。

主人のリュックには、おにぎり2つとネーブルが2個だけ。1つ分けてもらったおにぎり。達成感に酔いしれた中でいただくおにぎりとは程遠く、砂をかむような味だった。悲壮感漂う中での昼食となり、むなしかった。

あきらめ下山しようとしたが、主人が「一応捜してみるから、俺のリュックをしょって先に下山しろ」といった。

山の名前は鶏冠山で、アップダウンが連続し険しい山。道しるべを頼りに下山を始めたが、さまざまな不安が脳裏をかすめ心細かった。

しばらくすると、主人が呼ぶ声が聞こえ、手には私のリュックが。主人とリュックを目にして不安も一掃、私の心も晴れた。

リュックの中の菓子は粉々に、パンは原形をとどめずペッシャンコに。思わず噴き出した。笑顔の中、昼食をやり直しうれしかった。一瞬の心の緩みが思わぬ事態を招くと身を持って体験した山登り。今後の教訓にもなった。

(100山調査終了し編集にかかった所GPSにうまく入っていないと言う事で4月25日に2人で行って来た時の記事です。)
夏焼山と塩沢集落  常光寺山と赤い靴  イワカガミの群生に目を見張る