梅雨入り宣言が発表された直後5月30日は 山ビル駆除当番日。

「綺麗どころが行くから うようよ寄って来るね。ワハハ。」車を走らせながら大騒ぎ。

気温20度 湿度72%の気象条件の中 ヒルの侵入に備え完全防備、武器の塩入り瓶とピンセットを携え、「山ビルバスターズ」と書いた真紅の旗を掲げ、女性4人高根城へ向け雨の中を出陣していった。

早速、登り口に頭を持ち上げたヒルがお出迎え、塩を少し振りかけ動きを鈍らせピンセットでつかみ、瓶の中へ。作業は原始的且つ、単純ではあるが非常に気持ちが悪い。

「ギャー」ヒル大嫌いメンバーの悲鳴、彼女は目がいいから見つけるには早い。駆け寄り駆除。ギャー、ギャー悲鳴が聞こえる方へ駆け寄っては処理。真剣に駆除しているものなら油断も隙もあったものではない。そっと忍び寄り長靴にピタット貼り付き血を吸う体制でいる。長靴に3頭が・・鳥肌がたった。

とにかく賑やかなヒル駆除も本日の日程は終了。「次回は洗剤の空容器に塩水を作って持って出かけたほうが、作業が楽だね」と相談しながら下った。誰もヒルの洗礼を受けなくてホッとした。

登り口に森林組合の職員の方が あす中学生の森林教室が開校されるので下見に来たとのこと。事前に分かっていれば同じ日に駆除すれば安心して森林教室を受講できたのではないのかなと思う一方で、実物のヒルを見、駆除の仕方、又食いつかれた時の処置の方法など体験するのもいいのでは、避けてばかりいては駄目ではないかとも思った。生徒の一人が被害に遭ったと後日耳にした。

家に帰った私、ズボンの中でヒルが這い上がるような気がして何度も何度も点検した。歩みを始めたばかりの駆除隊、頑張って何か手応えを得たいものである。

「今日の登城者、固そうだったね。」高根城のヒルたちの声が雨上がりに聞こえてきそうな夕空であった。                                                        文:熊谷道子

2012年、浜松市の「中山間地まちづくり事業」の一貫として「NPO法人山に生きる会」が提案した山ビル駆除を含めた山の整備対策が採択され資金提供を受ける運びとなり6ヵ年計画で毎年5月~9月雨天時や雨上がりのヒルが活動しそうな日に いくつかのグループに編成されたメンバーが遊歩道や登山道などの朽ちた葉の下に潜んでいるヒルの駆除に乗り出した。

山ビルバスターズ始動

山ビルバスターズ始動

水窪町は、山住、奥領家、地頭方、の三つの番地に分かれており 私が子供の頃にはヒルは地頭虫と呼ばれ 地頭方にしか生息していなかったように記憶の中にあるが、生態系の変化とともに町全体に生息が確認された今日、農林業に従事している人達、又水窪の山、川を訪れる人々は不安な状況である。

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